オミクス解析とは

生命現象は、遺伝子、RNA、タンパク質、代謝物など、多数の分子が複雑に関わり合うことで成り立っています。
かつては特定の遺伝子や分子に注目して機能を調べていましたが、現在は技術発展によりそれらの分子情報を網羅的に取得することが可能になっています。
取得したそれらの網羅的な分子情報データを解析するのがオミクス解析です。

そもそもオミクスとは

オミクス(omics)」は2つの接尾辞「-ome」と「-ics」が組み合わさったものです。
「-ome」は「全体」を意味しており、「-ics」は「学問」を意味しています。

「-ome」の語源

ラテン語の -oma、さらにギリシャ語系の -ōma に遡る接尾辞とされます。
ただし、分子生物学で使われる「-ome」を単純に「ギリシャ語で『全体』を意味するものが語源」と説明するのは正確ではありません。
語源的にはギリシャ語・ラテン語の接尾辞に遡る部分がありますが、現代生物学での意味は「genome」を起点に再解釈・拡張されたものだからです。
現在の用法に大きな影響を与えた「genome」は、1920年にドイツの植物学者Hans Karl Albert Winklerによって提案された語であり、遺伝子を表すgeneと、染色体を表すchromosomeを組み合わせて作られた言葉です。
そしてchromosomeは1888年にドイツの解剖学者Heinrich Wilhelm von Waldeyer-Hartzによって提案された語であり、日本語訳の「染色体」からも分かる通り、ギリシャ語の「色、着色」を意味する「chrōma」と、同じくギリシャ語の「体、物体」を意味する「sōma」から成る言葉です。
その後、genomeが「遺伝情報の総体」を意味する語として定着し、そこからtranscriptome、proteome、metabolomeなど、特定の分子群の「総体」を表す語が広がりました。

「-ics」の語源

「学問、知識、技術、実践」を表す接尾辞で、ギリシャ語系の「-ika / -ikos」に由来します。

オミクス解析の種類

対象とする分子階層に応じてさまざまな種類があります。
代表的なものとして、ゲノム全体の配列や変異を調べるゲノミクス、細胞内で発現しているRNAを解析するトランスクリプトミクス、タンパク質の種類や量、修飾状態を調べるプロテオミクス、代謝物の変動を解析するメタボロミクスなどが挙げられます。
当研究室では、主にゲノミクス(遺伝子変異・クロマチン構造)、エピゲノミクス(オープンクロマチン領域・ヒストン修飾)、トランスクリプトミクス(組織全体のトランスクリプトーム(smRNAを除く)・組織全体のトランスクリプトーム(smRNA)・一細胞ごとのトランスクリプトーム(smRNAを除く)・空間トランスクリプトーム)を扱っています。
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